気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
懸命に断るが、半ば強引に車に乗せられ、シートベルトまで締められてしまった。
美織に聞くより早く、ナビに保育園の場所を入力して発進する。
「こんなことはやめてください」
久しぶりのふたりきりの空間に戸惑いながらも、きっぱりと拒絶の意思を提示する。しかし次の瞬間、彼の口から驚くべき発言が飛び出した。
「陽向くんは僕との子どもだね」
ほぼ断定的に言われ、すぐに言葉が出てこない。
なにを根拠に言っているのかわからず、気持ちばかりが焦る。彼だって確証は持っていないはずなのに、核心を鋭く突かれたせいで頭は真っ白だ。
「……ち、違います」
否定するだけで精いっぱい。それも声は震え、自分から嘘だと白状しているも同然になる。
「それじゃ美織はあの頃、二股をしていたことになるけど」