気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
美麗なオーラを放ちまくり、周りとは隔絶した世界にいるみたい。より逞しく美しい姿に心は大いに乱された。
彼が仕事中なのは明らか。体のラインにフィットしたグレーのスーツを身に纏い、美織同様に戸惑いの眼差しを向けていた。
「やっぱり沖縄にいたのか……」
彼のリゾートホテルが沖縄に開業を控えているのは、有名な話のため知っている。しかし、こうして顔を合わせるとは予想もしていなかった。
これだけ多くの人がいる中で、なぜ再会してしまうのか。ふたりを繋ぐ糸はとっくに切れたのに。
――いや、そもそも繋がれてもいなかったはずなのに。
運命のいたずらに動揺せずにはいられない。
「どうして――」
史哉が口を開いたそのとき。
「社長、お車が到着しました」
秘書だろうか。黒いパンツスーツに身を包み、髪をシニヨンにまとめた品のある女性が声をかけてくる。道路には黒いハイヤーが止まっていた。