気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

「僕ね、キミのママと陽向くんをおうちまで送っていきたいんだ。ダメかな」


陽向に目線を合わせて許しを請う。
どうしたらいいのかわからない様子で陽向が美織を見上げると、史哉はすかさず続けた。


「そうだ、陽向くんにお土産があるんだ」


いそいそと車に戻り、後部座席から二十センチ大の恐竜のフィギュアを取り出した。


「どうぞ」


差し出された陽向が再び美織を見上げる。手を出したいが、知らない人から差し出されたもののため躊躇っているのがわかる。


「すみません、困ります」
「いや、僕も持っていても仕方がないから。受け取ってもらえないと困るんだ」


美織の困惑もなんのその。空港で見つけたらしく、つい買ってしまったと言う。史哉は強引に陽向の手に握らせた。

陽向はそれを見てぱぁっと目を輝かせ、途端にうれしそうに抱える。
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