気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
「恐竜、好き?」
「うん!」
大きく頷いた笑顔が弾けた。
「僕も子どもの頃、大好きだったんだ」
「物で釣るなんてやめてください」
勝手に話を進める史哉に不服を申し立てるが……。
「そういうつもりじゃないよ。陽向くんが喜んでくれたらうれしいと思ってつい。気分を害したのなら謝るよ。ごめん」
困ったように眉尻を下げる。その表情からも悪気のないプレゼントだとわかり、それ以上怒れなくなった。
「陽向、こういうときはなんて言うんだっけ?」
「ありあと」
大好きな恐竜をもらってうれしいのはわかるが、史哉に満面の笑みを向ける陽向を複雑な想いで見た。