気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
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それから二週間がゆっくり過ぎていった。

商品の詰まった箱をコレッタのカウンターに置き、渚に封筒を差し出す。


「請求書はこちらです」
「ありがとう。このあと少し時間ある?」


封筒を受け取りながら渚が首を傾げる。


「保育園のお迎えはまだですし、少しなら」


まだ午後二時。腕時計で時間をたしかめてから答えた。


「この近くにスムージーのお店がオープンしたの。付き合ってくれる?」


渚の誘いに頷く。拓也は不在らしく、アルバイトの女性に店を任せ、ふたりでコレッタを出た。

十一月中旬の沖縄は、晴れていれば日中はまだ半袖でも十分に過ごせる。本州のような秋らしい爽やかさはなくても、一年の中でも過ごしやすい時期だ。
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