気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
渚が美織を案内したのは、コレッタから歩いて五分ほどの場所にあるスムージーの専門店だった。木目調の店内は新しいものを求めて多くのお客さんがいる。
テイクアウトも可能だが、美織たちは木のぬくもりがある店内に腰を落ち着けた。
美織は紅芋とバナナのスムージー、渚はレッドドラゴンのスムージーを注文。ほどなくして色鮮やかなそれらが運ばれてきた。
キラキラのビタミンカラーはSNSでも映えるに違いない。近くのテーブルでは若い女性たちが夢中になって写真を撮っている。
「いただきます」
渚と揃ってストローに口をつけると、紅芋の濃厚でクリーミーな味わいが口いっぱいに広がった。
「おいしい」
「あ、美織さんの笑顔、久しぶりに見た気がする」
思わず漏れた素直な感想に渚の突っ込みが入る。
「そうですか?」
「うん。この前一緒にタコスを食べたときも、なんだか心ここにあらずって感じだったし。――あっ、これもおいしい」