気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
渚がドラゴンフルーツのスムージーを見て目を丸くする。美織にも、次に来るときにはこれを飲んでみてと絶賛だ。
あれから二週間、史哉は再び美織たちの前に現れた。
恩納村で工事が進められているリゾートに行く途中だと言って工房に立ち寄った彼は、『僕のお古で悪いんだけど』と陽向に恐竜のフィギュアをプレゼントした。それも一体や二体ではなく、大きな段ボールにぎっしり詰めて。
中身を見ると、お古には見えないものばかり。値札こそすべて取り払われているが、史哉が陽向のために買ってきたのはすぐにわかった。
こんなにたくさんは困るし、陽向の教育上も良くないと伝えると、次回からは気をつけるから今回だけは受け取ってほしいとお願いされてしまった。
その日も半ば強引に車に乗せられ、陽向を迎えに保育園まで。史哉を見つけた陽向は『おにいちゃんだ!』と彼に駆け寄った。前回プレゼントされた恐竜がよほどうれしかったのだろう。今ではお決まりのぬいぐるみと一緒に抱えて寝ている。
それほど大好きな恐竜がその日は段ボールにいっぱい。それを見たときの陽向は工房の敷地内をぐるぐる走り回ってはしゃぎ、落ち着かせるのにひと苦労した。
「そういえば、ゆくるさんの食器をラ・ルーチェで使いたいって話があるんだって?」