気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

レンタカーでないのはナンバーでわかる。


「買ったんだ。頻繁にこっちへ来るなら、毎回借りるより使い勝手がいい」


リゾート開発で沖縄にたびたび訪れるのはわかるが、普通の思考なら〝買う〟とはならない。それも超がつくほどの高級車だ。
やはり彼とは生きている世界が違う。


「瀬那さん、こんばんは」


工房から出てきた辰雄が史哉に気づいて頭を下げる。


「お世話になっております。遅い時間に申し訳ありません」
「先日のお返事でしたら、もう少しお時間を」
「いえ、今日は違うんです」


申し訳なさそうにする辰雄を制し、史哉は後部座席のドアを開けて大きな紙袋を取り出した。
まさか、また恐竜のプレゼント?と身構えたが、そうではないらしい。


「陽向くんと花火をやりたくて来たんです」
「花火?」
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