気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

笑い合う三人は、どこからどう見ても幸せな家族の姿だった。

その後、陽向は深海の海に住む奇妙な姿をした生物に目を丸くし、外に出てからはイルカの給餌を体験。お昼を挟んでウミガメやマナティを鑑賞し、ゆっくり水族館を堪能した美織たちは、史哉の車に乗って帰路についた。

陽向は走りだしてすぐにこっくりこっくりと舟を漕ぎ、ものの数分のうちに寝入ってしまった。昨夜から大はしゃぎだったから無理もない。

史哉がギフトショップで買ってくれたジンベエザメのぬいぐるみを大事そうに抱えている。


「……ん、はい……どーぞ」


陽向が寝言を漏らしたため、史哉と笑い合う。
夢でもイルカに餌付けしているみたいだ。よほど楽しかったようで、寝顔まで笑っている。


「夕食もどこかで食べて帰ろうと思っていたけど無理そうだね」
「そうですね。陽向は一度寝るとぐっすりなので」


この分だと帰ったらそのままお布団コースだろう。お風呂は明日の朝になりそうだ。


「じゃ夕食は次の機会に」
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