気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

「子ども!?」


浩一郎は先ほどよりも輪をかけて驚いた様子だ。眉を大きく上げ下げする。

史哉は今まで明かさずにいた美織との話を順序立てて話した。バンクーバーでの出会いはもちろん、本意でない別れも包み隠さずに。


「縁談を断り続けてきた理由がようやくわかったよ」


静かに聞いていた浩一郎が相好を崩す。どんな相手であろうと目もくれなかった史哉をじつのところとても心配していたと言う。このまま一生独身を貫くつもりではないかと本気で憂いていたらしい。


「そこまで好きな女性がいるのなら、ぜひ会わせてくれ」


両親は大恋愛の末に結ばれたと聞く。そんな父ならば史哉の相手にとやかく口は出さないだろうと思ってはいたが、予想以上の好感触だ。


「もちろん紹介するつもりではいるよ。でもその前にやらなきゃならないことがあるんだ」


美織の気持ちを捕まえなければ話にならない。
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