気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
希少価値を保ちつつたくさんの人に知ってもらうには、今回の話はもってこい。一流ホテルで使ってもらえば世界各国から訪れる観光客の目に留まり、話題性も高められる。
「おじいちゃんの作品をたくさんの人に見てもらいたいし、琉球ガラスの存続にも繋がるよね」
「美織もそう思うか」
辰雄の表情がパッと華やいだため、美織まで明るい気持ちになる。
「うん」
「体力的な不安があるから迷ったんだが、最後の大仕事としてやってみようかと」
ホテルの開業に合わせ、最初は大量に作品が必要になるだろう。七十代の辰雄には大変な作業になるかもしれない。
「最後なんて言わないで。おじいちゃんにはこれからももっと作ってもらわなくちゃ。私だってまだ修行中の身だし」
教えてもらいたい技術はたくさんある。まだ引退してもらっては困るのだ。