気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

『ここへはひとりで?』
『はい、ひとりです』
『ここより雰囲気のいい店があるんだ。一緒に行かない?』
『……え?』


急な誘いに戸惑いを覚える。美織はそこでようやくナンパだと気づいた。


『ごめんなさい。まだ飲みはじめたばかりなので』


ジンフィズはたった今、カウンターに置かれたところだ。
美織はグラスを手に取り、一口も飲んでいないとアピールした。


『そう言わずに行こうよ。その店でもおいしいカクテルが飲めるよ。ご馳走するから。ね、ほら』


男性がいきなり美織の腕を掴み、立たせようと引き上げた。

なんて急展開。日本でも声をかけられた経験はあるが、ここまで押しの強いのは初めてだ。


『ちょっと待ってください』
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