気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
〝ね?〟と陽向が誇らしげに見上げた先にいた美織が、慈愛に満ちた笑みを浮かべる。
「史哉さん、昨夜はありがとうございました」
「陽向くんが無事でなによりだよ」
陽向を抱き上げ、美織に微笑み返した。
「ねえ、おにいちゃん」
「ん? どうした」
「ぼくのパパになって」
「……え?」
唐突な発言に動揺せずにはいられない。幼い子ども特有の無邪気さだとわかっているが、今まさに史哉が準備していたプロポーズに繋がる言葉が、陽向の口から飛び出すとは思いもしなかった。
「ママ、いいんだよね?」
陽向につられて美織を見ると、照れを滲ませた眼差しが史哉をとらえた。
「史哉さん、私――」
「ちょっと待って」