気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
口を開いた美織を止める。史哉に自分の気持ちを伝えようとしているのが、痛いほどに伝わってきた。
だが、それなら順番は逆。自分からもう一度はっきりと想いを告げたい。
「陽向くん、少しだけここで待ってくれる?」
抱っこしていた陽向を下ろし、彼女に向かい合う。
「美織、結婚しよう。なにがあっても、この先ずっと一緒だ」
どんな困難があろうが、ふたりだけはなんとしても守り抜く。
「史哉さん……」
唇を噛みしめ、今にも泣きそうな美織をそっと引き寄せ、強く抱きしめた。
「はい」
「三年半前に言えなかった言葉をやっと言えた」
込み上げる深い想いが胸を熱くする。