気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

「それはナンパですか?」
「あっ、いえ、そういうつもりではないのですが……。お気に障ったのでしたらすみません」


外国人男性と同じだと気づいて恥ずかしい。まさにナンパも同然だ。


「冗談ですよ。せっかくですからごちそうになります」


美織が自己嫌悪に陥っていると、男性はふわっと微笑んで椅子を引いた。

仕草のひとつひとつに微かに漂う色気にどぎまぎさせられる。彼の隣に美織が腰を下ろすと、バーテンダーは彼が座っていた場所から飲みかけのカクテルを運んできた。


「ごちそうになるのは、これが飲み終わってからにしますね」
「ぜひそうさせください」


笑い合いながら同時にグラスに口をつける。ジンフィズの炭酸が爽快だ。


「僕は瀬那(せな)史哉(ふみや)といいます。あなたは?」
「私は夏川美織です」
「美織さん、と呼んでも?」
「もちろんです」
< 25 / 309 >

この作品をシェア

pagetop