気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
「それはナンパですか?」
「あっ、いえ、そういうつもりではないのですが……。お気に障ったのでしたらすみません」
外国人男性と同じだと気づいて恥ずかしい。まさにナンパも同然だ。
「冗談ですよ。せっかくですからごちそうになります」
美織が自己嫌悪に陥っていると、男性はふわっと微笑んで椅子を引いた。
仕草のひとつひとつに微かに漂う色気にどぎまぎさせられる。彼の隣に美織が腰を下ろすと、バーテンダーは彼が座っていた場所から飲みかけのカクテルを運んできた。
「ごちそうになるのは、これが飲み終わってからにしますね」
「ぜひそうさせください」
笑い合いながら同時にグラスに口をつける。ジンフィズの炭酸が爽快だ。
「僕は瀬那史哉といいます。あなたは?」
「私は夏川美織です」
「美織さん、と呼んでも?」
「もちろんです」