気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

グレーと白でまとめられたシンプルな雰囲気の部屋はダウンライトが優しげな光を灯している。陽向は隣の部屋に用意されたベッドで、今頃楽しい夢を見ているだろう。

史哉は真ん中に置かれた大きなベッドの上に美織をそっと下ろし、そのまま組み敷いた。


「美織、僕を挑発した責任を取ってもらうよ」
「挑発なんて」


した自覚はない。


「もっとしてって言ったのは立派な挑発だ。バスルームでもそうだしね」
「……お風呂で?」


それこそ挑発するようなことはなにひとつしていないが。


「必死に体を隠してただろう? あれで平常心を保てる男がいると?」
「でもあれはしょうがなかったんです。久しぶりなのにいきなり一緒にお風呂なんて。初めてでしたし……。それに陽向を産んだので昔とは違いますから」


体重は戻ったが、妊娠前とでは確実に体のラインは崩れている。明るい場所で裸を見せる勇気はない。相手が史哉だからなおさらだ。
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