気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
昔を思い出させるかのようにゆっくりと舌を交わらせ、歯列をぐるりとなぞる。ゾクゾクとした感覚の懐かしさと艶めかしさに全身から力が抜けていく。
溢れ出る唾液を混ぜ合わせ、啜り上げられ、体が奥から熱くなるのを止められない。恋焦がれて、待ち焦がれた彼との一夜に心がはやり、それに比例して体が解けていく。
「美織……」
甘い声で囁き、艶めいた水音を立てながら舌を絡ませられる。余計なことを考える余裕はなく、ただただ彼のキスに翻弄される。
彼への想いにきっと際限はないのだろう。あとからあとから込み上げる恋情に縋りつくように史哉の首にしがみついた。
合間に名前を呼ばれ、その吐息がかかる肌が粟立つ感覚だ。濃厚な口づけに必死に応えているうちに体の中心から熱いものが溢れるのを感じ、腰をしならせる。
美織になにが起きているのか察知したのか、史哉は妖しく目を細めた。
「キスだけじゃ物足りなくなったみたいだね」