気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
美織たちの挙式は、その開発が終わって落ち着いたら考えようと話し合っていた。
それがなぜ……?
「じつは叔父の提案なんだ」
史哉には副社長として支えてくれている父方の叔父がいる。彼は、史哉の結婚を待ち望んでいた人たちのうちのひとりで、美織と入籍する前はあれこれと縁談を持ち込んできていたと聞く。
「式がまだなら、そこの第一号として挙げてしまえばいいってね。社長自らそこで挙式すれば、いい宣伝にもなると」
工事中のリゾートは、一度だけ史哉に案内されて見せてもらったことがある。自然を生かした敷地内は、美織の想像以上に素晴らしい場所だった。
海との一体感、沖縄の景観を損なわない構築物。どこを見ても胸を躍らされ、完成が待ち遠しく感じたものだ。
その場所で史哉と結婚式を挙げられるなんて夢のよう。
「うれしい」
「――っと」