気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
飽きることなく体を貪り合い、ふたりで怠惰な時間を過ごしたあと、史哉は美織を外へ連れ出した。
『美織を案内したい場所がある』
思わせぶりに微笑む彼に車で連れられたのは、賑やかな街から少し離れた静かな場所だった。
カフェやブティックなど品よく洗練された店が並ぶ一角。濃紺のタイルを使ったモダンな外壁が目を引く。
看板はなく、窓から中を覗いてみたが、これといってなにも置かれていない。
「ここは……?」
「美織がこっちで暮らすことになったら使ってもらおうと準備していたんだ」
「私が使う?」
ますますわからず、美織の頭の中はクエスチョンマークのオンパレード。目をまたたかせて彼を見つめ返した。
「工房だよ」
「……工房?」
聞き返した美織の手を取り、史哉は「中へ入ろう」と鍵を開けた。