気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
陽向は、妹か弟のどちらかとすでに会っている。
にわかには信じ難い奇跡的な話に、なんともいえずワクワクする。
「そうか。陽向はゆうちゃんに会いたいか」
「あいたい。ねえ、いつあえる?」
「そうだな、なるべく早く会えるようにしよう。ね? ママ」
史哉に同意を求められ、微笑みで返す。
「私、陽向が生まれてからの成長を史哉さんに見せてあげられなかったのを、ずっと後悔していたんです。次に生まれてくる私たちの子どもは、史哉さんと一緒に……」
「美織」
史哉に腰を引き寄せられ、唇が触れ合う。近く訪れる幸せな知らせを願った。
「パパとママがキスしてるー」
ピョンピョン跳ねて陽向がはやし立てる。
参列者たちのあたたかい眼差しに祝福されながら、美織たちは来たる未来に胸を弾ませ、もう一度唇を重ねた。
END
*書籍版の書き下ろし番外編に続く*