気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
「や、やだな瀬那さん、あんまり冗談ばかり言ってからかわないでください」
もうこれ以上、揺れる気持ちを制御できない。もしかしたら……と期待してしまい、心が大きく乱される。
「冗談でも嘘でもありません。これまであなたにかけた言葉は、すべて僕の本心だから」
史哉の澄んだ瞳は、たしかに真実だと言っていた。
この二日間、ふたりで過ごした時間が走馬灯のように頭の中を流れていく。彼と交わした会話を一つひとつ思い返して胸が熱い。
「瀬那さん……。私もです。私も瀬那さんとここで終わりにしたくありません」
素直な気持ちをストレートにぶつける。美織の正直な願いだった。
「美織さん、僕はあなたほど素直でかわいい女性を知らない」
手にしていた紙袋をテーブルに置き、史哉が美織の手を取り引き寄せる。もう片方の手で腰を抱き、間近で視線が絡んだ。