気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

「すみません。じつはこういう経験がなくて……」


それなのに『抱いてください』なんて、よく言えたものだ。


「……初めて?」


史哉は軽く目を見開き聞き返した。
こくっと頷く。恋もキスも、その先も、美織には未知の世界だ。


「それじゃ、いきなりで驚いたでしょう。でも、もう止められない」


困ったように眉尻を下げた史哉は、最後のひと言で途端に妖艶な空気を放つ。
それだけで全身にゾクゾクとした甘い痺れが走った。


「大丈夫です。初めてが瀬那さんでうれしい」
「キミという人は……。優しくするつもりですが、もしも手荒な真似になったら噛みついてもいい」
「噛みつくなんて」


思わぬ言葉に笑い返す。
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