気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
「それじゃ、ふたりきりになれる場所へ行きましょうか」
史哉は美織をエスコートして歩きはじめた。
その足はエントランスではなくエレベーターのあるほうへ向いた。
「どこへ行くんですか?」
ここは待ち合わせ場所ではなかったのか。
「部屋を取ってあります。というか、ここに滞在してるから」
史哉によると、住むマンションが決まるまではしばらくここで過ごすという。ホテルを部屋替わりにするようだ。
彼に誘われて最上階へ。招き入れられたのはスイートルームだった。
「こんなお部屋に連泊なんてすごいですね」
「美織と過ごすなら快適な部屋のほうがいい。この前、手持ちの株がいい値動きをしたんです。自分へのちょっとしたご褒美」
史哉のような人をスーパートレーダーと呼ぶのだろう。一泊いくらなのか見当もつかないが、高級なことで有名なホテルだから相当な額だろう。