気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
「レストランで食事をしようと思いましたが、誰にも邪魔されずに話したい。ルームサービスにしましょう」
史哉の提案に頷く。ほどなくしてフレンチのコースが運ばれてきた。
サーモンとカッテージチーズをのせたカナッペやベーコンと根菜のラタトゥイユ、メインにはヨーグルトソースのチキンソテーなど、どれも目にも鮮やかな料理だ。
「史哉さん、おかえりなさい」
「ただいま」
スパークリングワインで帰国を祝って乾杯。美織は史哉と再会できた喜びでいっぱいだ。
「ところで、どうして今日はスーツなんですか?」
「似合いませんか?」
「とっても素敵です。でもお仕事はトレーダーだと言っていたので、ビジネスマンの姿は想像していませんでした」
自宅の一室で、何台ものパソコンを前に株の値動きを厳しくチェックしているのが、美織の持っているトレーダーの勝手なイメージだ。
「今日はそのあたりの話もしようと思ってます」
「……そのあたりのお話?」