気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】

「夏川美織さんとはどういうご関係で?」

(――えっ、私!?)

男性が唐突に美織の名前を持ち出す。にわかに緊張が走った。

(どうして私の話題になんて……)

それもただならぬ空気をまき散らして。

息を殺し、耳に神経を集中させる。嫌な予感を覚え、心臓は早鐘を打ちはじめた。


「どうもこうも彼女とは遊びですから。心配は無用ですよ」


躊躇いもせず返した史哉の冷ややかな言葉が、美織の胸を痛烈に衝く。衝撃で吸い込んだ息を吐き出すことすらできず、水もないのに溺れたような感覚だ。

(私とは遊び……?)

愕然としてその場に立ち尽くす。


「おわかりかとは存じますが、ラ・ルーチェの次期社長として大切な時期だということをお忘れなきように」


今度は男性の口から驚くべき発言が飛び出した。
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