ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
大河の告白に、わたしの胸がドキンと鳴る。


「怒った顔も泣いた顔も全部知りたい。…でも、やっぱり莉子には俺のそばで笑っていてほしい」


…大河が。

あの大河が、そんなことを思ってくれていたなんて。


「莉子には、野球部のマネージャーとしてこれまでたくさん支えてきてもらった。やから、次は俺が莉子を支えたい。…莉子の彼氏としてっ」


大河の言葉は、どれも胸に響いて――。

自暴自棄になっていたわたしの心を癒やしていった。


確かにさっきまで、わたしなんていないほうがましだと思っていた。

消えてしまいたいと。


でも…。

本当に消えていいの?


大河の前からいなくなってもいいの?


そう冷静になって考えたとき――。


…やっぱり、それはいやだった。


大河が望んでくれるなら、わたしも大河のそばにいたい。
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