ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
そんなことを心配していた時点で、わたしはすでに大河のことが好きだったんだ。



お父さんとお母さんを亡くして、絶望のどん底にいたわたし。


そんなわたしをすくい上げ、わたしに存在意義を与えてくれたのが――大河だった。


きっと大河がいなかったら、わたしはずっと部屋に引きこもっていたことだろう。

大河の気持ちも、自分の気持ちさえも知ることはなかった。


お父さんとお母さんの死は、わたしの心に大きな傷跡を残した。

1人じゃ立ち上がることのできないくらいの…大きな傷だ。


…だけど、わたしなら大丈夫っ。

そばに、大河がいるから。


大河が、わたしを救ってくれたんだ。
< 128 / 294 >

この作品をシェア

pagetop