ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
大河は、早くも明光学園の野球部の練習に加わりつつも、空いた時間はわたしの勉強の指導にあててくれた。



「大河、ここわからないっ…」

「どこやねん?見せてみーや」


そんな理想の勉強会を想像していたけど、現実はまったく違った…。


「そこ、この前も教えたところやんな?」

「はい、間違い。最初からやり直し」

「次の模試でB判定じゃなかったら、スタバ禁止」


むちゃくちゃスパルタだった…!


そういった意味では、何度大河に泣かされたことか。


受験勉強なんてきらい。

もうやめたい。


そう思ったことだって当たり前のようにあったけど、それでもがんばろうと思えたのは――。

大河の支えと、同じ高校に入りたいという目標があったから。



そして、そのスパルタの日々の甲斐あって、わたしは無事に明光学園に合格することができたのだった。
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