ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
わたしの感情を表しているかのように、猛烈な雨が降りしきる――。

そんな夜だった。



その日以来、大河との連絡は途絶えた。

頻繁にメッセージを送り合ってなかったけど、一応毎日些細なやり取りはしていた。


それが、まったくなくなってしまった。


わたしが素直に、「ごめん」と言えばいいだけのこと。

でも、あれだけのことを言ってしまって、はたして「ごめん」だけで大河は許してくれるのだろうか。


そんなことを考えたら、こわくて大河に連絡ができなかった。



そうこうしているうちに、甲子園出場をかけた夏の大会が始まった。


大河は1年生で唯一のレギュラー入り。

というのを、悠から聞かされた。


初戦、二回戦と明光学園はコールド勝ち。

大河が登板するまでもなく、圧勝だった。


そして、三回戦からようやく大河が途中登板で出てきた。

逆転を許すかもしれない、ピンチの場面での登板。
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