ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
『見ればわかるじゃん…!下心丸見えで、マネージャーの仕事をしてるのっ!』


大河にしてみれば、マネージャーは同じ野球部の仲間。


それをわたしがあんなふうに言ったら、怒って当然だ。


「…どうしよう。わたし…大河に完全に嫌われちゃったよねっ…」


感情に任せて大河を責めるようなことを言ってしまったことに、今さら後悔した。


もっと早くに謝ればよかったのに――。

意地を張って、それすらもできなくて…。


だから、大河から連絡がこないのも当たり前。


「大河の中では、わたしたちって…もう別れたことになってるのかな……」


もしかしたら、まだ付き合っていると思っているのは、わたしだけなのかもしれない。

わたしが謝っても謝らなくても、大河はもうわたしのことなんて、なんとも思っていないのかも…。
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