ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
毎日、新しい友達の名前が出てきて、高校生活を謳歌していた。


〈俺が、吐きそうなくらいの練習してるときに、莉子はずいぶん楽しそうやな〉

〈だって、しょうがないじゃんっ。わたし、放課後暇なんだし〉

〈初めは、野球部に入れへんくてうじうじ言ってたくせに〉

〈まあ、あのときはねっ。でも、試合のときはちゃんと応援行くからさ!〉


そう言ってくれるなら、毎日のハードな練習もがんばらないとな!となる。



そして、入学して1ヶ月がたったゴールデンウィーク。

初めて、他校との練習試合が行われた。


俺はその試合で、まさかのピッチャーで登板することとなった。


周りは、2年生と3年生ばかり。

俺が、ヘマするわけにはいかない。


しかし、レギュラーにもベンチ入りにも、悠の名前は呼ばれなかった。
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