ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
「大河、お疲れ!」

「入学して初めての試合やったのに、すごいやん!」


マネージャーの先輩たちが、タオルやスポーツドリンクを持って、俺のところへきてくれた。


そのどちらも、今から取りに行こうとしていたところだったから、ちょうど持ってきてもらえて助かった。


さすが、マネージャー。

よく気が利く。


「俺なんか、まだまだっすよ。先輩たちがフォローしてくれたからっす」

「それでも、相手を無失点で抑えるのはすごいって!」

「そうっすか?」

「そうやでっ。これからも期待してるで!」


そう言って、先輩たちは俺の肩を叩いたり、頭をわしゃわしゃと撫でた。



それからも、俺は野球部の練習に励んだ。


この前の練習試合に出させてもらったからって、マネージャーの先輩たちにほめてもらったからって、そんなのは関係ない。
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