ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
こんなに打たれるのは…初めてのことだった。


中盤の6回に入るころ、5ー5の同点。


これ以上、点数は取らせたくなかったのに、なぜかここぞという決め球が打たれる。

完全に…読まれている。



そして、6回表。


俺が投げたストレートボールは、バッドに当たった爽快な音ともに…。

外野裏のスタンド席へと飛んでいった。


…3ランホームランだった。


相手チームに、大きな3点が追加される。


そして、俺はここでピッチャーを交代。

当たり前の結果だった。


相手は、俺のことを研究しつくしていたのかもしれない。

そうだったとしても、8失点なんて…俺の中ではありえないことだった。



「…すみませんでした」


ベンチに下がった俺は、先輩たちに謝るしかなかった。


「気にすんなって!大河のせいとちゃうっ」
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