ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
控えピッチャーの立ち上がりはまずまずで、序盤は無失点に抑える。


しかし、徐々にヒットが続き、相手にペースが傾きつつあるのはなんとなく感じ取っていた。


そして、4回の裏でようやく試合が動く。

大きな当たりが出て、初めて点を許したのだった。


この回で、2点を取られた。


だけど、まだ2点。

これから、挽回のチャンスはある。


そして、次の5回からは、いよいよ俺がピッチャーとして登板した。


泣いても笑っても、これが甲子園最後の試合。

そして、高校最後の試合となる。


だったら、もう勝つしかない。


スタンド席から見てろよ、莉子。

絶対、優勝してやるから。



明光学園は、6回と7回で1点ずつ加え、2ー2の同点で8回を迎えた。


しかしこの終盤で、初めて俺は失点した。
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