ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
その表情は、どこか不服そうだった。


「なんでって、俺は莉子と同じ大学に行きたいねん」

「…なに言ってるの?おかしいでしょ。大河は、プロに行くべきだよ。それか、野球に力を入れている大学とか――」

「そんなんはどうだっていい。だって俺は、中3のときに、莉子のそばにずっとおるって決めたから」

「ずっとって言ったって…。これは、大河の人生だよ…!?」

「だから、莉子のそばにいたい。もう心が離れるようなことはしたくないから」

「大河っ…」


莉子は、不安そうな顔で俺を見つめた。


莉子の言うとおり、確かにこれは俺の人生。

でも、その俺の人生の中には、すでに莉子の存在がある。


今だけじゃなく、これからの莉子との未来も考えているから――。

だから、俺の人生の中から莉子がいなくなるなんて…ありえないっ。
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