ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
だけど、気づかせてくれたのは…莉子だよな?


――すべては、こうなるように。


そのために、俺と別れる道を選んだんだよな…?


あのときの俺はガキで、そのときの莉子の思いを汲み取る余裕なんてなかったけど…。

今ならわかる。


だから、莉子には『ありがとう』と伝えるべきなのかもしれない。


――ただ。

そうだったとしても。


俺は、莉子と同じ大学へ進学するという夢を歩みたかった。


そして、ずっとずっと莉子のそばにいたかった。


今でもそう思えるくらい、俺は莉子のことを愛していたから。
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