ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

莉子side

『オレ…ほんまは中1のころから、…莉子のことが好きやった』



ずっと仲間で親友だと思っていた悠から、…突然告白された。


正直、ものすごく驚いた。

悠がわたしのことをずっと想っていたなんて、そんな素振り…これっぽっちも見せたことがなかったから。



大河と悠とも会うことはないまま、夏休みに入った。

そして迎えた夏の大会、準決勝。


大河の登板もあり、見事明光学園は勝利。

いよいよ、あと1勝で甲子園への切符をつかむ決勝戦へと駒を進めた。



決勝戦当日。

もちろんわたしは、応援席にいた。


だけど、応援席は超満員。

マウンドに立つ大河にとって、わたしの存在なんて、たくさんいる観客の中の1人にすぎない。


おそらく、背景のようにしか見えていないことだろう。


だけどわたしは、だれよりも声を出した。
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