ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
すると、その隣のヤツが席を半分空けて、その空いたスペースをバンバンと叩いている。


男が仲よく1つのイスを共有するのは座りづらそうだが、せっかくだしお言葉に甘えて――。


そう思い、近づこうとしたそのとき。


…ドンッ‼


右腕に衝撃が走り、持っていたレジ袋を落としかけた。


見ると、イートインスペースに座っていた女子だった。

俺よりも少し背が低く、おそるおそる俺を見上げているように見える。


「す…すみませんでした…!」


そして、俺と顔を合わせるなり、そう言って逃げるように行ってしまった。


そのコがコンビニを出ようとしたとき、俺の足元に小さな白いケースのようなものが落ちているのに気がついた。


拾い上げると、それはワイヤレスイヤホンのケースだった。


…そういえば、さっきのあのコも耳にイヤホンをしていたような。
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