ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
「別れよう」…と。



大河から、清鳳大学に進学すると伝えられた1週間後――。


わたしは大河に別れを告げた。


「…どういうことやねん」

「別れる必要なんかないやろ…?」


突然の別れ話に、困惑する大河。


…見ていられなかった。


「俺…、莉子のことめちゃくちゃ好きやねん!やのに、別れるとか…そんなん無理やろ」


わたしだって…好きだよ。

大河と同じくらい、めちゃくちゃ好きだよ。


だけど、わたしは言葉を交わさなかった。


なぜなら、ここでわたしが口を開いてしまったら――。

大河への好きが溢れ出して、「本当は別れたくなんかない」と口走ってしまいそうだから。


「…莉子。なんか言ってや…」


切なげな表情でわたしを見つめる大河。

思わず、視線を逸らしてしまった。
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