ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
大好きだよ、大河。

愛してるよ、大河。


だけど大河は、一方的に別れを告げたわたしのことは恨んでいいよ。

嫌いになっていいよ。


だから、こんなわたしのことは忘れて、これからも野球に人生を懸けてほしい。


今まで、ありがとう。

ばいばい、大河。



――それから、3年後。


わたしは、清鳳大学の3年生になっていた。

少しずつ就活を意識し始める大事な時期だ。


『莉子なら先生に向いてるやん』


大河がそう言ってくれたから、わたしは中学校の先生になりたいと考えていた。


わたしのかけがえのないたくさんの思い出が詰まった…中学校生活。

教え子たちにも、その3年間で大切ななにかを見つけてもらいたくて。



「昨日の野球見た?」

「見た見た!矢野だろ?」

「ああ。ノーヒットノーランとか、やばすぎだろ〜」
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