ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
そう思って、俺はワイヤレスイヤホンのケースをバッグにしまったのだった。



しかし、確かに野球チームの練習はあったが、そのあといつものようにあのコンビニに行くことはなかった。


なぜなら、練習後突然の土砂降りにあい、それどころではなかったり。

はたまた、俺が練習後に予定が入っていて、早く家に帰らなければならなかったり。


そんなことが続いて、結局あのコンビニには行けず…。

ワイヤレスイヤホンのケースは、ずっと俺が預かったままになってしまっていた。


1週間もすれば、きっとイヤホンの充電は切れているころだろう。

あのコかどうかはわからないけど、持ち主もきっと困っているはずだ。


…すんません。

俺が持ったままです。


そんなことを思いながら、俺は明日の入学式に備えて、早めに寝ることにした。
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