ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
気づけば俺と悠の周りには、前の小学校から仲のよかった友達が集まっていた。


だから、話に夢中になってまったく気づかなかった。

俺の後ろに、だれかが立っていたことに。



「あ…あの……」


一瞬、空耳かと思った。

でも、なんだか気配を感じて振り返ると、そこには見慣れない女子が立っていた。


「あの…。そこ…、わたしの席でっ…」


肩にあたるくらいのミディアムヘア。

俺と違って、ぶつかったら折れそうな華奢な体。


…ん?

ぶつかったら…?


その瞬間、俺の頭の中に電流のようなものが駆け巡り、あのときの出来事が思い出された。


「…あーーーーーっ!!」


一瞬、こんなコ、同級生にいたっけ?と思ったけど、そうじゃない。


「だれ、このコ?」

「初めて見るけど、大河の知り合い?」
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