ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
「莉子なら大丈夫よっ」


まあ、どうせ友達ができたとしても、中学3年間だけの付き合いなんだけどね。


なぜなら、お父さんの今回の転勤は3年の期間となっている。

そのあとは、また東京に戻る予定となっているのだ。


だから、この3年をなんとか我慢して、高校受験では東京の学校を志望する。

そして、晴れて3年後は家族みんなで東京へ戻るという計画だ。



「莉子、どこ行くの?」

「ちょっと散歩〜」

「1人で大丈夫…?お母さんも、このあと買い物に行くつもりだから、そのときにいっしょに――」

「もう小学生じゃないんだから、大丈夫だよ。迷ったら、スマホのマップ見ればいいだけなんだしっ」

「そう?じゃあ、気をつけてね」

「は〜い。いってきます」


わたしは、引越し業者からの荷物が届くまでの間、暇だからマンションの周りを散策することにした。
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