ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
頬を真っ赤にしながら、大河に頭を下げる女の子。


それを見て、わたしは目をまん丸にして悠と顔を見合わせた。


「ほらなっ」


小声で悠がつぶやく。


悠の言うとおり、本当に告白だった…!

しかも、あんなかわいい後輩から。


わたしが男の子だったら、絶対にOKする。

だから、大河も――。


そう思ったとき、なぜだか胸がチクッと痛かった。


…大河が、だれかと付き合う?

…大河に、彼女ができる?


大河のそばにいるのはわたしじゃなくて、その彼女ってことになるの…?


じゃあ…、わたしたちの関係って――。


そんなことを考えたら、わたしが告白したわけでもないのに、大河の返事に心臓がバクバクした。
 

きっと大河は、この告白を受け入れる。


…でも、それってなんか…いやだな。
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