ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
莉子は、俺の『仲間』みたいなもの。


だから、莉子に彼氏ができたとか、ましてやそれが同じ野球部の先輩だとか――。

そんな話は、あまり聞きたくはない。


なんとなく莉子に気があるんじゃないだろうか。

そんな感じの先輩や同級生は何人かいたが、結局告白したのかどうからわからない。


もしそれで、別れて気まずくなって、莉子が野球部を辞めるとか言い出したら困る…。

なんて思っていた。


しかし、俺の心配をよそに、莉子は毎日放課後の部活を楽しみにしてくれていた。


俺も、そんな莉子がいたから、さらに野球部で野球をすることが楽しくなった。



莉子のことを狙う先輩が引退、そしてまた引退して、今日から中学3年生になった俺たち。

先輩はいなくなっても、今度は莉子を狙う後輩が現れた。


だから、俺の心配がなくなることはなかった。
< 73 / 294 >

この作品をシェア

pagetop