ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
「晩メシまでなんもないとか、無理っ」

「それな。練習終わったら、とりあえずなんか食わな気がすまへんし〜」


わたしと反対側の席から、徐々に埋まっていく。


…と、ここで気づいた。


イートインスペースのカウンター席は、全部で6つ。

今、わたしの真隣の席に1人が座った。


入ってきた野球部は、全員で6人。

ということは、わたしがここに座っていたら、最後の1人が座れないということだ。


大河(たいが)〜!お前もこっちで食べるやろ〜?」

「ああ」


ほら、やっぱりもう1人きたっ…。


「…あっ。でも、大河の席空いてへんかったわ」

「それなら、オレといっしょに座ったらいいやん!」


そんなやり取りが、隣から聞こえてくる。


べつに、わたしが先にここを利用していたんだし、「席を替われ」と言われたわけでもない。
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