愛され相馬くんの話
離したくない
杷野夏樹……最高に大嫌いな名前だ。








「相馬さん。今度は二人で一緒に出かけよう」



夏樹が顔を若干赤らめながら、彼の手を握る。



「え…………お、おう……」


夏樹以上に真っ赤になった相馬さん。








やめろよ、何してんだよ。




「相馬さん……本当に行くの?」

「うん……」


うん……じゃねぇよ。


「オレはどうすればいいの?」

「ああ、飯だったら朝ちゃんと作って……」

「そんなことを言ってるんじゃない!」


いきなり怒鳴ったから、ビクっと肩を震わせる相馬さん。


「ねぇ……夏樹の事が好きなの?」




お願いだ。


ただの友達って言ってくれ。



「………お前には……隠し事が出来ないな」


そういって、フワっと笑みを浮かべた。






今……なんていった?



「-----!!!っ!」


感情のままに目の前の彼を強く抱きしめる。


「り、陸!?どーした!?」


遠慮はいらない。




「陸……?」





身体だけでもいいから


「抱かせろ」


オレのものになって。





























部屋の端っこで泣く相馬さん。




「ひっく……なんで……なんで……」


その身体にはたくさんのオレの証と白濁が。


「離したくないだけだったんだ」


オレは……ただ愛してもらいたかっただけなんだ。






「ひっ…………!もうやめて、来るな!こっちへ来るなあ!!」




オレの罪は重い。


たぶん一生、その罪は身体に絡みつくように残るだろう。





「あんたを繋ぎ止めておきたかったんだ」










(離したくないんだ、身も心もオレだけを見てほしくて)
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