カレンダーガール
その後、2人で近くのファミレスへ。
さすがに、元旦の早朝に開いている店は他になかった。

「何か食べる?」
午前1時に聞く話でもない気がするが、一応聞いてみる。
「実は、お腹がすいていて・・・」
えっ?
「もしかして夕食食べてなかったの?」
びっくりして聞き返してしまった。

「急な残業になってしまって、帰ったのが9時過ぎでしたから・・・」
「何で言わないの?そもそも当直の先生がいたはずだろ?どうして、君が残ることになるんだ?」
つい、声を荒げてしまう。

「みんな忙しかったんですよ。それに、私が志願して残ったんだからいいじゃないですか」

まただ。
最近の彼女は良くこういう言い方をする。

「そういう問題じゃない。忙しいのはみんなが一緒なんだから、バランス良く勤務しなくちゃダメなんだよ。自分が頑張れば回るんだからそれでいいじゃないかって考え方は間違っている。君のそういう所、良くないよ」
「・・・」
俺の勢いに、黙り込んでしまった桜子先生。

「怒ってごめん。とにかく、食事して」
仕事中でもないのに、さすがに言い過ぎたと後悔しメニューを差し出す。
しかし、
「一緒にいて言い争いになるだけですから、もう帰りましょう」
桜子先生が席を立ってしまった。
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