カレンダーガール
「待てって」
駐車場でようやく彼女を捕まえた。

見ると、今にも泣き出しそうな顔をしている。

「僕が悪かった。本当にごめん」

頭を下げる俺を、桜子先生が真っ直ぐ見つめる。

「明日鷹先生は、そんなに私が嫌いですか?」
「そんなわけあるはずないだろ?」
「だって・・・」
悔しそうに唇をかむ。

確かに、ここ最近の俺はイライラすることが多かったし、誰よりもその影響を受けたのは桜子先生なのかもしれない。
でも、それはお互いが誰よりも側にいて、身近な存在だからこそ出せる本音。
そのことは彼女も分かっているものだと思っていた。

「じゃあ聞くけれど、君にとって俺はただの上司なのか?」
「どういう意味ですか?」

はあー。
大きなため息とともに、俺の体から一気に力が抜けた。

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