カレンダーガール

昨年、研修医１年目を私はこの病院の消化器科で勤務した。
色々あった。
医者として、社会人として、私はあまりにも子供で、周りを見ずに突っ走ってしまい、大切な人達に心配をかけた。
最終的に、ストレスから麻薬に手を出した元彼に、刺された。
結果どこの医局からも受け入れてもらえなくなった私に、手をさしのべてくれたのが剛先生。
だから、私はどんなことがあっても逃げ出さない。

「師長」
ノックもなくドアが開き、剛先生が現れた。

「はい、先生どうしました？」
「５０４の悠人君。お母さんが来たら呼んで欲しいと、伝えていましたよね？」
なんだか不機嫌そう。

「お母さん忙しくてなかなかみえないので、来られたら必ず先生に連絡するようになってますけれど・・・」
「今朝のうちに来て、帰ったと聞きましたが、」
「えっ？」
師長は素早く立ち上がり、担当看護師にコールした。

電話をかけながら、段々と師長の顔が曇っていく。